成人式でコートの人の割合は?防寒対策の必要性とコートの選び方
一生に一度の晴れ舞台である成人式。
スーツや振袖は決まったものの、当日の防寒着、特に「コートはいる?いらない?」と最後の最後まで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
当日の気温によってはコートがないと厳しい場面もあり、しっかりとした防寒対策は必須です。
また、周りの人はどうするのか、実際にコートを着ていく人の割合がどのくらいなのかも気になりますよね。
この記事では、成人式におけるコートの必要性の有無から、失敗しないコートの選び方、そして大人として知っておきたい会場でのマナーまで、あなたの疑問をすべて解決します。
ぜひ最後まで読んで、万全の準備で素晴らしい一日を迎えてください。
- 成人式でコートを着る人の割合や必要性がわかる
- コートがない場合の防寒対策がわかる
- 成人式にふさわしいコートの選び方がわかる
- 会場でのコートに関するマナーがわかる
成人式でコートの人の割合は?
成人式でコートの人の割合はどのくらい?
成人式にコートを持参する人の割合について、残念ながら国や自治体による公式な統計データは公表されていません。
これは、成人式が各自治体主体で開催される地域的なイベントであり、服装に関する全国規模の調査が行われていないためです。
ただ、成人式の多くが開催される1月は、ご存知の通り一年で最も寒さが厳しい時期です。
実際に、気象庁の過去の気象データを参考に近年の成人式当日の気温を見てみると、2024年1月8日の最高気温は東京で10.3℃、福岡で8.1℃、仙台では5.0℃、札幌に至っては-1.3℃と、ほとんどの地域でしっかりとした防寒着が必須の寒さでした。
ファッション通販サイトなどでは、一般的に気温が10℃を下回るようであればコートが必要な目安とされています。
この客観的なデータからも、沖縄などの一部の温暖な地域を除き、ほとんどの新成人が防寒対策としてコートを着用、または持参して式典に参加していると考えるのが自然でしょう。
実際にYahoo!知恵袋などのQ&Aサイトを見てみると、「私の時は男性は8割近くがコートを着てましたよ!」「寒がりでなくてもスーツだけではかなり寒いので、ほとんどの人が着ていました」といった経験者の声が多数見られます。
具体的な数値はなくとも、体感として「ほとんどの人が着ている」というのが実情に近いようです。
ポイント
公的な割合データはありませんが、1月の気温を考慮すればコートは必須アイテムと言えます。
実際、多くの参加者がコートを準備しており、「持っていないと寒くて後悔する」可能性が非常に高いです。
成人式にコートはいる?いらない?
結論から言うと、成人式のコートは原則として「必要」です。
一番の理由は言うまでもなく防寒対策ですが、理由はそれだけではありません。
真冬の屋外でスーツ一枚の姿は、見た目にも寒々しく、TPOをわきまえていないという印象を与えてしまう可能性もあります。
「大人」の仲間入りをする成人式だからこそ、機能性だけでなく、季節感やその場にふさわしい服装を意識することが大切です。
コートを羽織ることで、スーツスタイルがより一層引き締まり、洗練された大人の装いが完成します。
コートがいらない可能性のあるケース
もちろん、以下のような非常に限定的な状況においては、コートがなくても問題ない場合も考えられます。
- 自宅から会場の目の前まで車で送迎してもらい、屋外にいる時間が1〜2分程度と極端に短い場合。
- 気象予報で「記録的な暖冬」「春のような陽気」と報じられるほど、当日の日中気温が異常に高い場合。
注意点:いらないケースはほぼ無いと心得るべき
上記はあくまで例外的なケースです。
たとえ車移動でも、駐車場から会場まで歩いたり、会場前で友人を待ったりする時間があれば、すぐに体は冷えてしまいます。
特に式典の後に友人との写真撮影や二次会などで夜まで外出する予定がある場合、日中との気温差は想像以上に大きく、コート無しでは体調を崩しかねません。
「念のため」と考え、必ず持参するのが賢明な判断です。
コートを持ってない場合の対策は?
もし成人式にふさわしいコートを持っていないのであれば、今後の人生を見据えて、この機会に一着購入するのが最もおすすめの対策です。
成人式で着用するようなフォーマルなコートは、一回きりの使い捨てではありません。
その後の大学の卒業式、就職活動、会社の入社式、そして友人や同僚の結婚式、さらには冠婚葬祭といった、人生の様々なフォーマルシーンで必ず役立つ必須アイテムとなります。
このタイミングで、流行に左右されない上質なコートを準備しておくことは、自分への投資として非常に有意義と言えるでしょう。
どうしてもコートを準備できない場合の防寒対策
もし、予算や時間の都合でどうしてもコートを用意できない場合は、スーツの下に着込む「インナー防寒」を徹底しましょう。
- 機能性インナーを着用する
ユニクロのヒートテックに代表されるような、薄手で保温性の高い機能性インナーは必須です。シャツの下だけでなく、スラックスの下にも着用することで、体感温度は大きく変わります。 - ベストやカーディガンを重ねる
スーツのジャケットの下に、薄手のウールベストやVネックのカーディガンを着込むと、胴体部分の保温性が格段に高まります。着膨れしてスーツのシルエットが崩れないよう、体にフィットする薄手のものを選びましょう。スリーピーススーツのベストも非常に効果的です。 - 防寒小物をフル活用する
マフラーや手袋は、露出部分である首元や手先からの冷気の侵入を防ぎ、体温が逃げるのを防ぐのに非常に効果的です。また、見えない部分にカイロを貼っておくのも有効な手段です。
着込む際の注意点
インナーでの防寒は有効ですが、限界もあります。
着込みすぎると着膨れしてしまい、せっかくのスーツの美しいシルエットが台無しになってしまうことも。
また、暖房が強く効いた会場内では汗をかくほど暑くなり、脱いで調整することが難しいというデメリットもあります。
スマートな着こなしと快適性を両立させるためにも、やはりコートを準備するのが最善の策です。
成人式で着るコートの相場は?
成人式で着用するコートの相場は、購入する店舗の業態によって大きく異なります。
ご自身の予算やスーツとのバランスを考えながら、どこで購入するかを検討しましょう。
一般的には、2万円台から6万円程度が初めての一着としては現実的な価格帯の目安となるでしょう。
購入場所 | 価格帯の目安 | 特徴 |
---|---|---|
スーツ量販店 (AOKI、洋服の青山など) | 20,000円~40,000円 | スーツと一緒にトータルコーディネートで購入しやすいのが最大のメリット。機能的でコストパフォーマンスに優れた商品が多く、就活などでの実用性も高い。 |
セレクトショップ (BEAMS、UNITED ARROWSなど) | 30,000円~60,000円 | トレンドを程よく取り入れた、デザイン性の高いコートが見つかる。普段のカジュアルウェアとしても着回したい、お洒落にこだわりたい人向け。 |
百貨店・ブランド (三越伊勢丹、各ブランド直営店など) | 50,000円~ | ウールやカシミヤなど、上質な素材を使用した高品質なコートが揃う。価格は高めだが、縫製もしっかりしており、数年〜十数年と長く愛用できる一着に出会える。 |
安価なコートの価格
「成人式の一日のためだけに高価なコートは必要ない」「とにかく予算を抑えたい」という方もいるでしょう。
そうした場合、ファッションセンターしまむらや、イオンのような大型スーパーの衣料品売場などで探せば、より安価なコートを見つけることが可能です。
価格帯としては、5,000円から15,000円程度が目安になります。
素材はウールではなくポリエステルなどの化学繊維が中心になりますが、デザインはチェスターコートなどスーツに合わせやすいシンプルなものが多く展開されています。
品質は価格相応になりますが、予算が限られている場合の選択肢として検討してみる価値はあります。
成人式に着ていくコートの色は?
コートの色は、スーツスタイル全体の印象を決定づける非常に重要な要素です。
成人式という公的な式典にふさわしく、今後の着回し力も考慮すると、まずは黒・ネイビー・グレーといった定番のベーシックカラーを選ぶのが最も無難であり、賢明な選択と言えます。
ブラック(黒)が与える印象
最もフォーマル度が高く、全体をシャープで引き締まった印象に見せる効果があります。
どんな色のスーツにも合わせやすく、冠婚葬祭(お葬式も含む)など、あらゆるフォーマルシーンで使える汎用性の高さが魅力です。
ただし、リクルートスーツのような印象にならないよう、素材の質感やシルエットで品格を出すのがお洒落に見せるコツです。
ネイビー(紺)が与える印象
黒に次いでフォーマル度が高く、知的で誠実な印象を与えます。
若々しいフレッシュさも感じさせる色なので、新成人の晴れやかな装いにはぴったりです。
就職活動やビジネスシーンでも間違いなく好印象を与えられるため、実用性も抜群です。
グレーが与える印象
上品で落ち着いた、都会的な大人の雰囲気を演出します。
色の濃淡によって印象が変わり、チャコールグレーのような濃い色はフォーマル度が高く、ライトグレーは少し柔らかくお洒落な印象になります。
ベージュが与える印象
こなれたお洒落感を演出できる色で、ダーク系のスーツスタイルに軽やかさを加えてくれます。
黒やネイビーのスーツに合わせると、色のコントラストが映えて洗練されたコーディネートに仕上がります。
ただし、他のベーシックカラーに比べるとややカジュアルな印象になるため、デザインはシンプルなものを選びましょう。
避けるべき色・柄
成人式はあくまで公的な式典の場です。
自己表現も大切ですが、TPOをわきまえることが社会人への第一歩です。
赤や黄色といった原色系の派手な色や、大きなチェック柄、アニマル柄など、カジュアルすぎる印象や威圧感を与えるコートは避けましょう。
成人式でコートを着ている人の割合は?
スーツの上に着るコートでNGなのは?
スーツスタイルには、カジュアルな印象が強いデザインのコートは基本的にNGです。
スーツが持つフォーマルでドレッシーな雰囲気を損なわないよう、コートもそれに合わせて品のあるデザインを選ぶことが、統一感のある着こなしの絶対条件です。
成人式コート OK vs NGリスト
OKなコートの種類(推奨) | NGなコートの種類(非推奨) | |
---|---|---|
具体例 | ・チェスターコート ・ステンカラーコート ・トレンチコート | ・Pコート ・ダッフルコート ・モッズコート ・ダウンジャケット ・ブルゾン、ジャンパーなど |
ポイント | シンプルで上品なデザイン。 スーツのジャケットが完全に隠れる着丈が基本。 ビジネスから冠婚葬祭まで幅広く使える。 | 学生的な印象(Pコート、ダッフル)や、軍服由来でカジュアル色が強いデザイン(モッズコート)は避ける。 |
特に注意したいのがコートの着丈です。
ブルゾンやジャンパーといった丈が短いアウターを着てしまうと、中からスーツのジャケットの裾がだらしなく見えてしまい、非常に不格好な印象になります。
必ずお尻が隠れるくらいの着丈があるコートを選びましょう。
Pコートやダッフルコートも、普段着としてはとてもお洒落なアイテムです。
しかし、どうしても学生の制服の上着というイメージが強いため、成人式のスーツに合わせるのは避けた方が賢明です。
大人への門出には、それにふさわしいコートを選びましょう。
スーツの上にダウンは着てもいい?
防寒性が非常に高いダウンジャケットですが、結論から言うと、スーツの上に合わせるのはフォーマルマナーとして推奨されません。
ダウンジャケットは、その起源が登山やアウトドアといった極寒地での活動着であるため、本質的にカジュアル・スポーツウェアに分類されます。
一方で、スーツはフォーマルな場での礼装です。
この二つを組み合わせることは、例えるなら「タキシードにスニーカーを合わせる」ようなもので、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。
また、ダウン特有のモコモコとしたボリュームのある見た目も、スーツの持つスマートなシルエットとは相容れません。
許容されるのはビジネスダウンのみ
もし、どうしても着用したい場合は、近年増えているビジネスシーン向けにデザインされた、いわゆる「ビジネスダウン」や「ダウンコート」を選ぶ必要があります。
具体的には、
- 表面に光沢がなく、ウール地のようなマットな質感
- ダウンの量を調整し、ボリュームが抑えられたスリムなシルエット
- スーツのジャケットが完全に隠れる、ハーフコート丈以上の長さ
といった条件を満たすものであれば、通勤などでは許容範囲とされています。
ただし、それでも成人式という「式典」の場においては、ウール素材のコートを選ぶのが最もふさわしい選択です。
コートとダウンはどちらが暖かい?
単純な保温性という機能面だけで比較すれば、一般的にはダウンジャケットの方が暖かいとされています。
これは、それぞれの素材が持つ保温の仕組みの違いによるものです。
- ダウンジャケット
内部に含まれるダウン(水鳥の羽毛)が体温で暖められた空気を大量に溜め込み、魔法瓶のように断熱層を作ることで暖かさを保ちます。ダウンの品質を示す「フィルパワー」という数値が高いほど、より多くの空気を含むため保温性が高くなります。
- コート(ウール素材など)
ウールやカシミヤといった繊維自体が持つ、熱伝導率の低さや、繊維の縮れ(クリンプ)が作る細かい空気層によって保温します。ダウンほどの大きな空気層は作りにくいですが、吸湿性に優れ、蒸れにくいというメリットがあります。
しかし、繰り返しになりますが、成人式では暖かさという機能性よりも、その場にふさわしいフォーマルさが優先されます。
それぞれの特性を理解し、適切な一着を選びましょう。
項目 | コート(ウール素材など) | ダウンジャケット |
---|---|---|
暖かさ | △(インナーでの調整が必要な場合も) | ◎(非常に暖かい) |
フォーマル度 | ◎(式典に最適) | ×(カジュアルすぎる) |
見た目 | スマートで上品 | 着膨れしやすくカジュアル |
成人式での最適解
保温性の高いウールやカシミヤ混紡素材のコートを選び、機能性インナーで温度調整をするのが、スマートな見た目と暖かさを両立させる最も良い方法です。
現代の機能性インナーは非常に進化しており、薄手でも十分な暖かさを確保できます。
スーツの上に着るコートのボタンは閉めるべき?
コートのボタンの扱い方は、意外と人から見られている着こなしのポイントです。
細かい部分ですが、正しく実践することで、より洗練された印象を与えることができます。
基本的には、屋外で立っているときはボタンを留め、屋内に入ったり椅子に座ったりするときは外すと覚えておけば間違いありません。
ボタンを留める場合
屋外にいるときや、立った状態で人と話すときなどは、一番下のボタンを除いて留めるのが基本マナーです。
これは見た目がすっきりと整うだけでなく、風の侵入を防ぎ、防寒効果を高めるという実用的な目的もあります。
多くのコート(特にチェスターコート)の一番下のボタンは、動いたときに裾が自然に広がり、美しいシルエットを保つために留めないのが一般的です。
これは「アンボタンマナー」と呼ばれ、スーツのジャケットにも通じる着こなしの基本です。
ボタンを外す場合
電車の中や、式典会場の椅子に座る際には、コートのボタンはすべて外しましょう。
ボタンを留めたまま座ると、腰回りが窮屈になり、生地に変なシワが寄ってしまいます。
これが繰り返されると、コートの型崩れの原因にもなります。
立ち上がる際に、またスマートにボタンを留め直しましょう。
成人式でコートを脱ぐタイミングはいつ?
社会人としてのビジネスマナーにも通じる重要なポイントが、コートを脱ぐタイミングです。
正解は、会場などの建物に入る直前です。
これは、屋外のホコリや花粉、雨や雪などを屋内に持ち込まないという、訪問先への配慮と敬意を示すためのマナーです。
ギリギリまで着ていて、受付やロビーで慌てて脱ぐのは見栄えが良くありません。
会場の建物のエントランス手前で立ち止まり、そこでスマートにコートを脱いでから中に入るように心がけましょう。
脱いだコートのスマートな扱い方
脱いだコートの扱い方も、その人の品格が表れるポイントです。
式典会場にはクロークが用意されていることが多いので、そこに預けるのが最もスマートで確実です。
もしクロークがない場合は、以下の方法で扱いましょう。
- 持ち歩く場合
コートは、内側の裏地が表になるように縦に二つ折りにします。こうすることで、コートの表側が汚れるのを防ぎ、見た目も美しくなります。
そして、そのまま腕にかけて持ち運びます。
- 座席で保管する場合
絶対にやってはいけないのが、椅子の背もたれにかけることです。だらしなく見えるだけでなく、裾が床について汚れたり、シワになったり、後ろの人の通行の邪魔になったりします。
正しくは、持ち歩くときと同様に丁寧にたたみ、自分の膝の上か、カバンの上に置きましょう。
コートマナーのまとめ
① 建物に入る前に、エントランス手前で脱ぐ。
② クロークがあれば、迷わず預ける。
③ クロークがなければ、裏返してたたみ、腕にかけるか自分の膝の上に置く。
成人式でコートの人の割合は?まとめ
今回は、成人式のコートを着る人の割合から、選び方、着こなしのマナーまでを詳しく解説しました。
最後に、この記事の重要な要点をリスト形式で振り返ります。
- 成人式でコートを着る人の明確な割合データはない
- 1月の気温を考えるとコートはほぼ必須アイテム
- コートなしは移動が短時間など限定的な状況のみ
- コートがない場合はインナーや小物で防寒対策を
- コートの相場は2万円から6万円程度が目安
- 色は黒・紺・グレーなどベーシックカラーが無難
- PコートやダッフルなどカジュアルなコートはNG
- スーツに合わせるならチェスターコートなどがおすすめ
- スーツにダウンジャケットはカジュアルなので避けるのが無難
- 暖かさではダウンが優れるがフォーマル度ではコートが上
- コートのボタンは屋外では留めるのがマナー
- 座る際はコートのボタンを外す
- コートは建物に入る前に脱ぐ
- 脱いだコートはクロークに預けるか畳んで腕にかける
- 成人式を機に長く使える一着を持っておくと便利